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2013年10月24日

丘の上の家 工事始まりました!

カテゴリー: 地質改良

先日、夏前から計画を進めてきた丘の上の家の工事がついに始まりました.
弊社では、新築の工事を行う場合、必ず地盤調査を行い、地盤の安定度を確かめてから工事を行います。
地盤が強ければ「あー良かった」と胸を撫で下ろし、地盤が弱ければ「なんでだよっ、チクショーっ」と少しガッカリします。
地盤が弱ければ、それは地盤改良工事の必要があり、そこに予算を取られてしまうという事だからです。
さて、今回の、このお家の敷地は西側に富士山を望める小高い丘の上にあります。
一般的に山や丘になっている土地というのは、平地や海辺等に比べて地盤が強く、安定していて、地盤改良などの必要が無い事が多いです。なので、今回は地盤調査を行う時点で、「今回は平気だろ」と高を括っていました。。。余裕コイてました。。
建築計画位置の一部の土地が少し凹んでいるような場所があるのがチョット気になってはいましたが・・・
そして地盤改良の日、自分も調査に立ち会いました。地盤調査の方式はスウェーデン式サウンディング試験と言って、先端にスクリューがついた金属製のロッドを回転させながら貫入させていき、その抵抗値を計測する事で、地盤の強度を確かめる方式です。
建築物の計画位置の4隅と、中心の計5ポイントの調査を行っていきました、そのうち1ポイントが前述した凹んだ部分に位置していまして、その位置でスクリューロッドを貫入させていくと。。。。。み、みるみる入っていきます(゜o゜)回転させる必要すら無く、、少し荷重をかけるだけで羊羹に爪楊枝が刺さるぐらいの勢いでっ。。。。。。「なんだこりゃっ!」
調査の結果、その凹んだ部分は地耐力はほぼ0(ゼロ)に近い、深さ6mの大穴が開いているようなものである事が判明してしまいました。。。「なんでだよっチクショーっ。なんだよこの穴(泣)」
イメージは右図のようなものです
他の4ポイントは問題無く、むしろ良好な地盤でした。この一部分のために果たして地盤改良の必要があるのかどうか、、、地盤調査会社の考察では改良の必要あり、と判定されてしまいましたが、建物の位置を動かすなどしても、やはり改良は必要なのかどうか、一縷の望みを持って、お世話になっている構造屋さんに聞いてみると。やはり「改良は必要」との回答が返ってきました。
断面的に考えると、端的に言えば、建築物が6m程度の崖に接して建っているようなものであり、多少建物をズラしたところで、危険度は変わらないという事でした。
構造屋さんにこう言われてはもう仕方ありません。
地盤改良はお金がかかるのに、成果物は目に見えません。また地盤が沈下するというようなイメージがリアルに持ちにくいため、
「ホントにやらなくちゃダメなのかな?やらないでどうにかならないだろか?」とどうしても自分は思ってしまいます。その分の予算を建物に使えたら、あれやこれをもっと良くできるのに、、、と。
地盤に関しての経験則などもあまり無く。(不同沈下等の正確な経験側を持っている人などほとんどいないとは思いますが)やはりデータと専門家の意見に従ってやるしか無く、みんなそうやっているのでしょうが、だからこそ本当に必要なんだろうか??という葛藤を抱えながら地盤改良工事を毎度見ています。
特に今回は部分的に弱い地盤がある以外は良好な地盤であったため、この葛藤が大きいものでした。
とまあ、改良工事前までは、予算や見積もりを作成した時期の直後である事等もあり、色々考えてしまうのですが、、、地盤改良後の安心感は絶大です。。やはりやって良かった、と思うものです。これをやらないで、一抹の不安を抱えながら工事をし、竣工し、不安を抱え続けながらお客さんに引き渡し、住んでもらう。考えただけでも恐ろしいです。
色々考えた末に、やはり必要であると判ぜられた地盤改良ならば、納得もできるものです。
1つ1つ、お客さんや敷地に適した建築を志していくと、当然ですが1つとして同じものはありません。毎回違う問題が発生し、対応しなくてはいけません。それが大変だし醍醐味でもあると思います。
そんな工事がまた1つ始まりました。思考錯誤を重ね、良いものを造りたいと思います!!

2013年5月10日

鴨川地盤改良記4 後

カテゴリー: 地質改良

鴨川地盤改良記4 終
さてさて、やっとの事で施工段階にまでこぎつけました。(前話
要は現場の建物が建つ部分の約180㎡の土を深さ3m弱の部分まで掘り下げて、改良材と混ぜた改良土と置換する、といった工事です。
自分が最初考えた方法はバックホー(大きいユンボ)で下まで降りていくように掘り下げていき、プール状にして50㎝程度ずつ改良土の層を撹拌、転圧を繰り返しながら上まで上がってくるという、単純なものでした。
一旦全部掘って面積を決めてしまえば改良材一袋につき約50㎝厚の改良土を作れば添加量が丁度良く、分かり易く、管理しやすい、という考えです。
「んじゃそんな感じでいくっぺよお~」と土建屋さんが巧みなバックホー捌きで掘り出した途端に変なものが出てきました。ところどころに穴が開いています。
「ナンダコレハ?」首を傾げながら掘り進めていくと・・・

いきなり出てきました、暗渠です。。。
地滑り対策地であるため、昔造成された時に水を絞るために埋設されたもののようです。。。
見なかった事にしてちょん切ってしまいたいとこですが、ずっと上のほうから水を絞ってきているようなので、切ってしまうとここが本当のプールになってしまいます。これはマズイ。
全ての穴を防水テープで塞いで現状通りにしておく事にしましたが。。。これがあってはバックホーが、穴の中を動けません。。。

おまけにもう一本出てきましたっ
笑うしかありません。
当初の計画はいきなりポシャってしまいました。
しかたが無いので穴を最初から全て掘ってしまうのではなく、部分部分改良をして足場をつくりながら、また掘っては改良するという方法に切り替えていく事にしました。そうしないと穴の外周上からではバックホーのツメが届かないところがでてきてしまうためです。
しかし、こうなると改良土の添加量が良く分かりません。。。。適当に混ぜては目標強度を下回る恐れもあります。。。
そこで、改良土を撹拌するための計量カップとなるような穴を別に掘り、そこで改良土を作ってから別の場所に移して転圧し、地盤を作っていくという方法に切り替えました。。

これが結構うまい事行きました、50㎝ずつマーキングをしておいて転圧を繰り返し、丁寧に地盤を作っていきました!そして遂に完成。まだ基礎も作り始めてないのにこんな大仕事を終えた感があった現場は始めてでした。

、、、とまあこれは約1年半以上前の話ですが、やっと書ききる事ができました。
この地盤改良に関しては通常の工務店では難しいのでは、と思えるような企業努力でコスト低減を実現できたと自負しています。なのでブログも最後まで書かなくてはと思っていました。
専門業者に丸投げしてしまえば簡単だし気が楽です。しかし専門業者にただ頼むだけでは今回のような特殊な敷地で、限られた予算内で、妥協せずにコストも下げ、安心できるものを作る事は不可能だと思われます。
山辺構造設計さんの強力なバックアップがあったからこそですが、この工事ではそれが実現できました。自分も大変勉強になりました。この工事ができた事に感謝です!!
(全て埋まってしまって全く見えないのが少しさみしいですが。。。)
わが村上建築工房ではこのような特殊な敷地での建築にも果敢に取り組んでおります。
チョイと変わった土地をお持ちの方、どしどしご相談下さい♪
大工い

2013年5月8日

鴨川地盤改良記4

カテゴリー: 地質改良

鴨川地盤改良記4  無理矢理最終回 前
最近から、たまにこのブログを覗いて下さっている方は一体なんの話だろうと思われるかもしれませんが、、、、
一年以上前に、鴨川で工事をしていた住宅の地盤改良のエピソードをブログで書いていたのですが、、
2012年1月22日のブログで3話目まで書いたところで話が長くなって面倒になってしまい、しかも工事の現況を皆さまに紹介するのが大まかな趣旨であるはずのブログで、お家が竣工したのにまだ地盤改良の話をしているという状況に嫌気がさしてしまい尻切れになっていました。。。
しかしやはりこのままでは気持ちが悪い、、もしかしたら、万が一ですが、話の続きが気になっている人も2,3人はいるかもしれない!と思い、いきなりの無理矢理ですが、1年以上の間を置いて、最終回を書いてみたいと思います。
さて地盤改良を専門業者に頼むのではなく、我々大工が監理して土建屋さんにやってもらう、という事になりました。
まずは専門業者の見積もりの分析です。なぜ〇〇〇万もするのか?「ぼったくってんじゃねえだろうな~」
でもまあ調べてみた結果はぼったくりではなく、簡単に言えば「過剰な改良」という事でした。
別に改良業者が故意に過剰にしているという事ではありません、改良屋さんもある基準のようなものにのっとって計画をしているのですが、その基準にはどうもあまり根拠が無く、改良材のメーカーが勝手に作った基準のようなものに機械的に従っているようなものでした。。。
それはどのような事かというと。。。
今回の改良は改良材と言われる、簡単に言えばセメントのようなものを土と撹拌して混ぜながら固めていき、良好な地盤を作る、というようなものです。まず始めに目標の地盤強度を設定し、その強度を出すために必要な改良材の添加量を決めなくてはいけません。
この必要な改良材の添加量が問題でした。
改良屋さんの添加量の決め方は以下のようなものでした。
「地盤が砂質であれば、目標地盤強度は〇〇kN/㎡であり、この強度を現場で実現するには、試験場での製作試験体の目標強度は最初の目標値に、なんたらかんたらの安全率を掛けて、更にうんたらかんたらの安全率を掛けて、最初の24倍の〇〇〇kN/㎡になり、そのための必要添加量は〇t/㎥となりますです。ハイ」
、、、、っなんじゃそらっ!
現場での目標強度が50kN /㎡だとすれば、そのために添加する改良材を決めるために試験場で求める強度はなんと1200kN /㎡だと言うのです!!文字通りの桁違い、しかも2桁。
「今日は50万円くらい必要になりそうだから念のため1200万円くらい持って行こうかしらん♪」
ってなくらいスーパーセレブ的な計算じゃないのだろうか?
なぜそんな桁外れの安全率を掛ける必要があるのか調べてみても、明確な回答はほとんど得られませんでした。
もちろん現場では試験場のような理想的な撹拌ができるはずはないので、ある程度の安全率を掛ける必要はあります。。。しかし24倍って、、、、、、タダじゃないんだぜぇ?
そこでお世話になっている山辺構造設計さんに相談してみると、、、やはり最近はどんどん改良が過剰になってきていて、もはや理解できないくらいだ、とおっしゃいました。(1年以上前の話なので、はっきりとは覚えていませんが、確かこのようにおっしゃっていたはず)
ならばどれほど必要か?どの程度の安全率が必要なのか?その根拠なども丁寧に教えて頂き、結局現場の目標強度は50kN /㎡として、試験の目標強度は180kN /㎡でOKという事になりました。納得のいく数字です。
この強度を出現させるのに必要な改良材の添加量を調べるために、現場の土を深度1mまで掘って採取し、試験場に送って添加、撹拌試験をしてもらい、やっと改良材の必要量が決定しました。
これでかなりコストを下げられました。あとは現場での施工精度だ!!
後半へ続く
大工い