木にまっすぐ、深い穴をあけようとしていたとき、
なかなか上手くはいかず、近くにいた森田大工にどうしたらよいか尋ねました。
すると森田さんは、
“そういう時はよー、手元を見るんじゃなくて、体を起こして遠くを見るんだよ”と言いました。
“あっ森田さん、もしかして今、何か良い事言いました?”
“おうっ!”
その通りにやってみると、まっすぐ、正確な穴があけられました。
反っていたり、曲がっていたり、癖のある木を工夫して、まっすぐ、正確に扱うのが多くの大工仕事であります。
しかし、反っていたり、曲がっていたり、癖があるのは人間も同じです。
墨つぼでパチンとまっすぐな基準線を描き、それに合わせて曲がりや癖を矯正します。
“まっすぐ”な基準が無いと建物はなかなか建ちません。
まっすぐではない、曲線や円も、ある1点からの等しい距離の直線が基準になります。
そうして出来た緩やかな曲線が上昇し始めました。
螺旋の誕生です。
赤ちゃんは母親のお腹の中から出てくるとき、狭い産道を通るため体を小さくし、螺旋回転運動しながら出てきます。
DNAも螺旋構造。おしっこも螺旋噴射。
螺旋は生命の原点
2019年螺旋の旅
ということで、木製螺旋階段の製作が始まります。
〔嶋根〕