木を型にはめたまま、しばらく乾燥させた後に型から取り外すと曲がった形態の木が出現しました。
曲げた木を型から外すと、木には元の形に戻ろうとするバネのような力が働き、曲げが少し戻ってしまいます。
この現象を曲木業界では“スプリングバック”と呼んでいるそうです。
実際に欲しい理想の曲線から、このスプリングバックで跳ね返る分を見越して、あらかじめ過剰に曲げたりして、調整しなければいけません。
しかし、相手は個性派軍団である自然木です。
型通りにスムーズに曲がってくれる木もあれば、ビンビンと跳ね返る反抗的な木もありました。
それを画一的に扱おうとすると、既存のルールには納まりきらず、はみ出てしまうものが出てくる。
という学校教育問題に直面してしまいました。
しかし、私は教育者ではなかったし、今この問題に直面する必要もありませんでした。
私にとって都合の良いように、強引に木を曲げて、一律に同じようにクランプで固定したところ、
振り向きざまにクランプが外れ、強烈なスプリングバックアッパーカットをアゴに喰らいました。
はい、わかりました。あなたの個性を尊重しましょう。
曲木達は全体の秩序は乱さない程度の自由を与えて固定されました。
Spring will soon be back
もうすぐ春ですね。