大工仕事の中で 特に好きな仕事は何だろう。
初めて敷地を見に行って 構想(プラン)を練ったり
木組み 架構を考えたりは もちろん 好きですけど
丸太を買うのが好きかもしれません。
特に市場でセリをして買うのは楽しくて 好きな仕事の1つです。
あの現場で 使うからとか 必要だからとか は全然考えてなく、
「お、いい木だね。」「この木が好き。」という理由で 買うからよいのです。
今、市場に来ている人の半分は、売れなくてもいい 木が好きだから買う 「趣味おじさん」。
もう半分は、木の売買のプロフェッショナル「プロおじさん」。
今回の市場で 僕が狙っていたのは この木。大物です。
多分この木が 今回の市場での一番人気で 材積単価も高かった木だとおもいます。
この木の競りが始まると 一人の「プロおじさん」が いきなり高い値段で 落しにかかってきた。
会場がザワつき、全員があきらめかけた雰囲気の中で ぼくが唯一その競りに 名乗りを上げて 値をつり上げた。
二回目 値を上げようとしたとき プロおじさんと目が合ってしまい
その気迫と眼光に圧倒され 「趣味おじさん」である自分がへらへらと
一番いい木を持って帰るわけにはいかない。 という気持ちが芽生えてきて この木は断念しました。
代わりにこの木の二番玉を競り落とした。
今回競り落とした二本
柾挽きして置いておこう
樹齢は200年以上 2年後くらいには乾燥して使えるかと思います。