西岬にある東伝寺も3年前の台風で被害を受けた。
その時、銅板でできた推定200キロの鬼板が屋根から落ちた。
「時間のある時に修理してくれればいいよ。」
と住職に言われてから 3年も経ってしまいまいた。
問題は落っこちた棟板をどうするか。同じものは重くて危ないので、付けたくない。
軽くて長持ちするものが求められた。既製品のガルバリウム鋼板でできた鬼板もあるが ちょっとセンスがないし、屋根替えごとに作るのもお金がかかりそうだ。
「ステンレスで作ろうか?」
ステンレスは水に強く丈夫ですが、硬くて叩出しには向かないとされています。
ちょっと叩いてみると、そうでもなく行けそう。素人でも ある程度できるのだからプロならやれそうだと判断し、平鍛冶(ひらかじ)の小原さんに注文することにしました。
小原さんも はじめは
「できるかな?。」とか
「師匠にもやめておけ。と言われてるんです。」とか言って
逃げ腰でしたが、無理にお願いして作ってもらうことになりました。
初めて作るものだし、
どのくらい時間がかかるか?
いくらかかるのか?
わからない。
こんな時はじっくり待つしかないと 出来上がるのを静かに待ちました。
3ヶ月経ってようやく鬼板が出来上がってきた。
できた鬼板はステンレスの薄板とは思えないほど 重厚で古瓦のような趣であった。
「いいじゃん!早速取り付けよう!」
と屋根に取り付けるとバッチリ 東伝寺の屋根に納まった。
夕日に照らされた鬼板はいぶし銀色に輝いていた。
現場監督さん、大工さん、募集しています!