鴨川地盤改良記4

鴨川地盤改良記4  無理矢理最終回 前
最近から、たまにこのブログを覗いて下さっている方は一体なんの話だろうと思われるかもしれませんが、、、、
一年以上前に、鴨川で工事をしていた住宅の地盤改良のエピソードをブログで書いていたのですが、、
2012年1月22日のブログで3話目まで書いたところで話が長くなって面倒になってしまい、しかも工事の現況を皆さまに紹介するのが大まかな趣旨であるはずのブログで、お家が竣工したのにまだ地盤改良の話をしているという状況に嫌気がさしてしまい尻切れになっていました。。。
しかしやはりこのままでは気持ちが悪い、、もしかしたら、万が一ですが、話の続きが気になっている人も2,3人はいるかもしれない!と思い、いきなりの無理矢理ですが、1年以上の間を置いて、最終回を書いてみたいと思います。
さて地盤改良を専門業者に頼むのではなく、我々大工が監理して土建屋さんにやってもらう、という事になりました。
まずは専門業者の見積もりの分析です。なぜ〇〇〇万もするのか?「ぼったくってんじゃねえだろうな~」
でもまあ調べてみた結果はぼったくりではなく、簡単に言えば「過剰な改良」という事でした。
別に改良業者が故意に過剰にしているという事ではありません、改良屋さんもある基準のようなものにのっとって計画をしているのですが、その基準にはどうもあまり根拠が無く、改良材のメーカーが勝手に作った基準のようなものに機械的に従っているようなものでした。。。
それはどのような事かというと。。。
今回の改良は改良材と言われる、簡単に言えばセメントのようなものを土と撹拌して混ぜながら固めていき、良好な地盤を作る、というようなものです。まず始めに目標の地盤強度を設定し、その強度を出すために必要な改良材の添加量を決めなくてはいけません。
この必要な改良材の添加量が問題でした。
改良屋さんの添加量の決め方は以下のようなものでした。
「地盤が砂質であれば、目標地盤強度は〇〇kN/㎡であり、この強度を現場で実現するには、試験場での製作試験体の目標強度は最初の目標値に、なんたらかんたらの安全率を掛けて、更にうんたらかんたらの安全率を掛けて、最初の24倍の〇〇〇kN/㎡になり、そのための必要添加量は〇t/㎥となりますです。ハイ」
、、、、っなんじゃそらっ!
現場での目標強度が50kN /㎡だとすれば、そのために添加する改良材を決めるために試験場で求める強度はなんと1200kN /㎡だと言うのです!!文字通りの桁違い、しかも2桁。
「今日は50万円くらい必要になりそうだから念のため1200万円くらい持って行こうかしらん♪」
ってなくらいスーパーセレブ的な計算じゃないのだろうか?
なぜそんな桁外れの安全率を掛ける必要があるのか調べてみても、明確な回答はほとんど得られませんでした。
もちろん現場では試験場のような理想的な撹拌ができるはずはないので、ある程度の安全率を掛ける必要はあります。。。しかし24倍って、、、、、、タダじゃないんだぜぇ?
そこでお世話になっている山辺構造設計さんに相談してみると、、、やはり最近はどんどん改良が過剰になってきていて、もはや理解できないくらいだ、とおっしゃいました。(1年以上前の話なので、はっきりとは覚えていませんが、確かこのようにおっしゃっていたはず)
ならばどれほど必要か?どの程度の安全率が必要なのか?その根拠なども丁寧に教えて頂き、結局現場の目標強度は50kN /㎡として、試験の目標強度は180kN /㎡でOKという事になりました。納得のいく数字です。
この強度を出現させるのに必要な改良材の添加量を調べるために、現場の土を深度1mまで掘って採取し、試験場に送って添加、撹拌試験をしてもらい、やっと改良材の必要量が決定しました。
これでかなりコストを下げられました。あとは現場での施工精度だ!!
後半へ続く
大工い

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