ブログ

2011年3月18日

願い

カテゴリー: 建築いろいろ
タグ: ,

現場で作業中になんだか目眩を感じて、「あ、ちょっと気分が悪いのかな」と思っていたら、後ろで設備屋さんが
「俺酔っ払ってないよね?」
と誰に聞くともなく言っている。
「んな事知るかい」
と心の中で突っ込み、作業を続けていたが、目眩が治まらない。一瞬経ってから設備屋さんの言葉の意味を理解し、地震だと気付いた。
かなりの揺れにみんな大騒ぎとなり、外に飛び出した。
「スゲぇ揺れてる!」
「船の上みたいだ!」
と口ぐちに叫んでいたが、その後揺れは治まり、皆少し興奮しつつ「津波来るんじゃねえの!」などと喚きながら仕事を再開し、仕事を終え、帰った。
東北で相当大きな地震が起こった事は現場でラジオで聞いていたので、テレビで早く詳しく見たいと思って帰ってみたら、なんとテレビが地震で倒れて画面にヒビが入っているではないか!電源を入れてみると、音だけは聞こえるが画面は見えない。「ああ~、家が流されています!」などと言っているが見えないので良く分からない。あきらめて不貞寝し、次の日も仕事をし、ちょっと一、二、三杯くらい引っ掛けてから帰宅し、その後僕がテレビを買って映像を見たのは地震後2日経った日曜の夕方だった。
テレビを家で接続してから4,5時間、僕はテレビで流れる津波の映像に釘付けだった。
信じられない。車ってあんなに軽々と流れるのか?町が丸ごと流されるなんてあり得んのか?まるでパニック映画だ。
完全にナメきっていた。地震直後に軽く興奮しながら作業していた今の現場はベランダから太平洋が一望できる。海岸まで徒歩で5分弱の距離にある。
昨日酔っ払って呑気にイビキを掻いていた僕の家は、走れば20秒くらいで海にジャンプインできる程海の近くだ。下手すりゃ二日酔いになる前に海の藻屑になっていたかもしれない。
テレビを買った日の夜、僕は再三発令されていたのにシカト決め込んでた大津波警報に初めて恐怖を感じ、ビビって海から少し離れたコンビニの駐車場にプチ避難した。その日から今日まで、夜は少しの不安を感じながら落ち着かない時を過ごしている。
全くと言っていい程被害の無かった南房総に住む僕でさえ不安を感じるのだ。東北の被災者の方たちの感じる不安は計り知れない。身内が行方不明な方、家を流されてしまった方、目の前で家族を津波にさらわれてしまった方等の無念さは想像を絶する。考えただけで胸が痛む。一人でも多くの人が助かって欲しい。一日も早く元気になって頂きたい。
原発の事故により今回の震災は単なる自然災害とは違う様相を呈してきている。可能になれば復興支援に現場に行けたら、とも個人的には思っていたが、放射能に汚染されてしまうとなっては恥ずかしいけども気勢も下がる。「そんなの関係ねぇ!」とは言えない。
どうにかそうなる前に、汚染を食い止めてくれ、と無力にも祈る他無い。
何かできたらと思いつつもほとんど何もできずに一人でなんだか申し訳無い気分にもなってしまうけども、無くなった沢山の方達の御冥福を、一人でも多くの不明者の救出を、原発の一刻も早い事態収拾を心から、切に、願うばかりだ。
(大工い)

2011年1月11日

大工の一分

カテゴリー: 建築いろいろ
タグ:

「あの野郎、一分の隙も無ぇ」
こんなセリフ、時代劇やチャンバラ系の映画などが好きな方なら一度は耳にした事があると思います。
「一分の隙も無い」というと、まぁほとんど隙が無いんだろうな。。。なんて皆さん思われるかもしれませんが、1959年に尺貫法が禁止されて久しい今「一分」とは正確にはどれくらいの大きさなのか、ほとんどの方は実はご存知無いのではないか、と思います。尺貫法が禁止されているという事も知らない人がほとんどでしょう。
しかし我々大工等の職人の間では永六輔さんの「尺貫法復権運動」の健闘の甲斐あってか尺貫法の使用が黙認されており、弊社のローカルベテラン大工などは寸法をメートル法で言うと 「ミリじゃ分かんねぇよぉ」 などとノタマウ有様です。
実際一分がどれ程の大きさかと言うと、3.03mmです。
一寸がその10倍で30.3mm、一尺がそのまた10倍で303mmです。
大工さんならみんな知ってます。
さて、冒頭で書いた「一分の隙もねえ」という表現ですが、「なんか凄そう」とは思いますが、実際はどうでしょうか?
実は我々大工も現場で同じようなセリフをたまに言います。隙間がある部分を指して、
「○○の隙がある」などと言うのですが、もし、ピタリとくっついているべき部分に、
「一分」の隙があったらどうか?というと。。。
「全然ダメ」  なのです。
勿論許容される部分もありますが、まぁほぼダメ、下手すりゃ「下手糞」なんて言われちゃうかもしれません。
なので、強そうな侍に「一分の隙も無ぇ」なんて言ってても、大工が聞いても「なんか凄そう、強そう」なんて思いません。「その程度か」です。「大したこと無ぇじゃん」なのです。
それにしても一昔前までは日本で全ての人が使っていた伝統的な単位を、国の政策によって現代人は知りもしないなんて、なんだか不思議なものです。
さて、今年も日本伝統の尺貫法を駆使して「一分の隙も無い建築」を作っていきたいと思います。宜しくお願いします。( なんか凄そう と思って頂けたら幸いです)
(大工い)

2010年11月9日

hati

カテゴリー: 建築いろいろ
タグ:

数年間建築の仕事に携わり、20棟近くの新築住宅の工事にも関わってきましたが、上棟直後の時期に必ずと言っていいほど見かける虫がいます。
そう、キラービーことスズメ蜂です。
他の蜂も来ますが、やはりスズメ蜂は迫力が違います。
「ブウォウォウォウォ~ん」と重低音に近い、接近して来ただけでそれと分かる羽音を響かせて登場します。
「他の小虫とはワケが違うんダゼ」てな感じです。
しかし毎回毎回コイツラは何をしに来るんであろうか?と蜂の訪問を受ける度に思います。
「俺の縄張りに勝手に変なもん作りやがって」
と敵対心剥き出しの近隣住民のような思いで来ているのでしょうか?
それとも
「あれま、いいのできたじゃん。ここに引っ越しちゃおかしら」
なんて喜んでくれちゃってるのでしょうか。
建築家ミースの言葉に「魂は細部に宿る」なんてのがありますが、昆虫目線でそんな細部にちゃんと魂が宿っているかチェックでもしているかもしれませんね。

しかしこう毎回来られるとなんだか愛着も湧いてきて、そんな蜂にも満足してもらえる仕事をしてやる、と思ったりもします。
満足してお引っ越しするのは遠慮して欲しいものですけどね。
(大工い)

2010年9月30日

作業場

カテゴリー: 作業場にて
タグ:

ここ最近作業場によく見かける虫がいます。何かの幼虫のようです。黒い体に赤や黄色の小さい斑点があって、なかなかオシャレさんです。。。
尺取り虫のような動き方で材木の上をひたすらに歩き回り、端っこまで行くと空中に足場を求めて体を伸ばす様を見ていると、なかなか愛嬌があって意外と飽きません。
しかし数が多い!そこいらじゅうにいる!正直踏みつぶして天命を全うさせてしまった数も一匹や二匹ではありません・・・・というのは大げさな嘘です。1匹踏んじゃいました。
しかし、こんだけ数が多いとどんな成虫になるのか気になります。
最近彼岸花に留まっているのを見かけるあの黒いアゲハ蝶になるのかしら?色も似てるしな。そうなると作業場が黒い蝶だらけになって、なんだかサスペンスでメルヘンな風景になりますな。さすが南房総は自然が沢山で美しい!!
コンクリートジャングルとまで称される東京に育ったワタクシ、蝶などにはあまり詳しくありません(東京と言っても端の端ですが)。そこで家に帰ってネットで調べてみました!
載ってる載ってる。幼虫がワンサカ載ってる!気持ち悪い!
しかしこんなのが美しい蝶になるとは不思議なものです。
あった!ありました。コイツだ
「フクラスズメ 幼虫」

名前は「フクラスズメ」というらしい。なかなかカワイイ名前です。
どれどれ、成虫は
「フクラスズメ  成虫」

「・・・・・・・・・・・」
皆様、南房総は自然で一杯です。
(大工い)