施主の希望により、堀辰雄が亡くなる直前に建てた書庫を参考にして建てた、数寄屋風のこじんまりとした石場建ての離れを作りました。外国からのお客様を泊めることもあり、日本建築の良さを小さな空間に凝縮させています。
裏山に続く庭の眺めのいいところに、平屋の離れをつくりました。
和室の南西に濡れ縁がまわり、数寄屋風の銅板屋根のある庇がついています。障子やガラス戸を戸袋に引き込めば、このように庭と一体になった空間を楽しむことができます。
障子を閉めるとこんな感じになります。瓦屋根、銅製の庇、杉丸太の桁や棟木、古材を使った戸袋がついた、小さいながらも瀟洒な家です。
民家らしい感じを出した木組みの梁と、鮒底天井や床の間の数寄屋風とを、バランスよく織り交ぜました。
和室から見た濡れ縁の隅の風景。縁側がないので外との一体感があり、開放的な感じです。
北東の角にある風呂場。裏山の緑を眺めながらゆったりとお風呂に浸かることができます。
上棟前に、作業場で和室天井部分の仮組をしてみました。
上棟して屋根がかかったところ。シンプルで明快な木組みです。
屋根に瓦が載りました。新築ながらも、里山の風景に融け込んでいます。