大戸の古民家修理現場は 土台がほぼ腐っていたので 新しく椎の木の土台に
交換しました。結構な大修理となったのですが、この時に使った「椎の木」は 15年前
からぼくの頭の中に在庫としてあった材木なのです。
この南房総地域で 一番水に強い木は 椎の木です。しかし椎の木には欠点があって、
角材に製材すると 曲がったり捻じれたりするので、すごく使いにくいのです。
そんなわけで、昔から床下の大引という部分に丸太のままで使われてきました。
山田木材さんが在庫に持っている 椎の木は、直径1m以上の大径木を製材しているので
あまり狂いが出ません。しかも30年前から天然乾燥させているので しっかり乾燥しています。
この 「椎の木」は15年前、鋸山美術館の石蔵の床下修理に使わせてもらった木で
当時、在庫は残り20本くらいしかないと言ってました。
「残りの20本も分けてもらえますか?」と買い占めようとしましたが
「それはダメです」と断られたのも良い思い出だったのですが。
結局15年後 残りの「椎の木」を大戸の古民家修理で使うことになったのです。
ちゃんと金輪継ぎ手も作れていますね。